フェアトレード(公正取引)に関して

フェアトレードに関する批判

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搾取者呼ばわりされる仲買人や国際的流通業者からは社会的インフラが整備されず活動も困難な発展途上国で商品を集め輸出を行い、不安定な市場で取引するというリスクの高い事業を行なっているのだから相応の報酬を得る必要があるとの意見がある。仲買人や国際的流通業者らがこのリスクの高い事業から高いリターンを得ることができなくなり、彼らも事業を継続することは困難となった場合、現状では彼らの代わりに発展途上国の生産品を流通させるシステムは少なく発展途上国の輸出事業自体が破綻しかねない。フェアトレードは生産者に肩入れするあまり流通の必要性を軽視しており、流通業者が価値を生み出す活動を「搾取」と誤解しているとの批判がある。 市場価格の変動については作柄が不安定な商品の価格が変動するのは市場経済の原理でありある程度はやむを得ず、それを人為的に抑制するのは困難ではないかとの指摘がある。ただし、近年の投機的資金の流入による乱高下については批判的な意見が多い。 またフェアトレードは形を変えた人為的な価格維持行為であることから緊急避難的な行為としては評価できるが、長期にわたると需要と供給の関係から需要そのものが減少するので総余剰はかえって減少する。さらに市場メカニズムの肯定的な側面である競争による品質向上なども望めなくなり、かえって生産者の自立を妨げる結果ともなりかねず経済学的には非合理的な行為と言える。この非合理的な行為の継続は経済的矛盾を大きくし、最終的には大きな破綻を招く危惧がある。ただし、ごく短期間緊急避難的になされるならば経済政策としては認めがたいが、尊厳ある個人の生存権を最低限保障する社会政策としての意義はある。 フェアトレードは公正だと主張するが、実際にその価格付けが公正であるかはわからない。仲買人を外した分、中間搾取は減るわけであるがでは生産者は高く売ることができるかといえばそうとは限らない。スターバックスなどの巨大企業はかえって強い立場に立ち、価格決定権を握る。彼らが公正と主張する価格は生産者にとって以前よりはましという程度で、一方企業側は従来よりはるかに高い利益を得るかもしれない。 フェアトレードだからそれが社会貢献活動とは限らない。単なる中間流通削減による企業の利潤追求かもしれない。


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